今回は映画の話で〜す。
映画については語りたいことは山ほどあるもんで、今回はその最初ってことで(じゃあ2度目もあるのか〜?)、大好きなSF映画や特撮映画中心にさせていただきます。
SF映画ファンじゃない人にとっては知らない作品もたくさん出てきちゃうと思うから、読んでもチンプンカンプンになっちゃうかもしれないけど、こればっかりは、わかってもらうように書くなんて絶対無理だと思うし。
それに、ホントに勝手気ままに書いてるから、もしかしたらみんなが好きな映画の悪口なんかも出てきちゃうかもしれないけど、そこはもう私の主観なので、ゴメンナサイってことでー。
と、開き直って始めま〜す。
★★★
――さて。
ウチにはCSを入れてるもんで、仕事中のバックミュージックはほとんど映画チャンネルなのです。
邦画は趣味じゃないから、怪獣映画か黒沢映画でもないかぎり流れているのはたいてい洋画。
何がいいって、言葉がわからないから耳に入っても邪魔にならないってこと。
でも、うっかり興味のある映画に引っかかってしまったら、さあ大変〜!
字幕だから画面を見なきゃストーリーがわからない。
そうなれば手は止まる。
仕事中にこれは最悪のパターンってわけ。
その上、私はB級のSF映画ってのが大っ好きで、CSでやるヤツにはけっこうその手合いで、かつ、日本未公開のものが多いのだ。
『悪魔の赤ちゃん』なんてのは、どうしてこんな映画がシリーズになるんだと思いながら3本とも見てしまった……。
以前、ゴールデンウィーク進行で、仕事の大波にドンブラこっこと揺らされて、マンガの〆切が間近に迫っていた頃に、この最悪パターンに引っかかってしまったことがあって。
始まりは『マスク・オブ・ゾロ』と、いたってノーマルだったんだけど。
「主演はアントニオ・バンデラスか。あーゆー濃い系は好みじゃないから見ちゃうことはないな」
と、呑気に流していたら、とんだ落とし穴があって。
初代ゾロ役が名優アンソニー・ホプキンスだったのだ!
「ああーっ、そーだったぁ〜!」
と、思い出した時には遅かった。
どんな役をやってもついつい見てしまう男優の一人だから、もう目が離せない。
2時間半、仕事は諦めるしかなかった。
ようやく終わって、ちょっと太めの初代ゾロもカッコよかったじゃないと思いつつ仕事に戻ろうとしていたところに『ボディーパーツ』とかゆー、一見して低予算だとわかるようなSFホラーが始まった。
ところがこれ、以前に途中だけ見て内容が気になっていた映画だったもんで、くだらないとはわかっていたのに、ついつい最後まで見てしまったのだ(実際くだらなかった…)。
その後チャンネルを変えて、しばし仕事をしてから、さて寝ようと思ったところに、『ハビタ/新種生命体』とかゆー見たことのない映画が始まったんだけど。
SFマニアの心をくすぐる意図丸出しの『新種生命体』なんてサブタイトルをわざわざつけてるいるヤツには、スカが多い。
『スピーシーズ/種の起源』も宣伝見ながら、これは引っかけだなと思って映画館に足を運ばなかったけど、後にテレビで見て、自分の判断が正しかったなと納得したもんだったわ。
なのに、しっかり続編までできているあたりが、よく理解できないところなんだけど……。
その上『スピーシーズ2』のラストは、すべてが終わったと安心している時に、実は人知れずエイリアンの子供が生まれたところで終わるとゆー、あまりに安直な『モンスター・パニック』以来の手法だったもんで、またかよ〜と思ってしまったわ。
そーいえば『GODZILLA』も結局このパターンだったっけ。
いかにも続きがありそうな思わせぶりなラストは、さすがにもう飽きたわ。途中からはもう見え見えだもんね〜。
で、その『ハビタ/新種生命体』だけど、どうやらテーマが環境破壊らしくて。
人間の身体を分子レベルにまで変化させ、粒子の集合体となって自然界に溶け込む方法を発見して、自ら人体実験してしまった科学者を父親に持つ男が主人公なんだけど。
興味を惹かれる登場人物の一人も出てこないし、内容も今さらって感じなんだけど、粒子化した人間ってのがちょっとツボだったもんでついつい終わりまで見てしまった。
始まったの夜中の3時なのにぃ……。
結局、仕事にならないどころか、明け方近くまでテレビを見続けたおかげで、ただでさえ疲れているところに、めいっぱい睡眠不足をプラスしてしまったのだった。
バカだった――…。
スカだとわかっていても、ついつい見てしまう、B級SFファンの悲しさだわ〜。
★★★
さて、有意義な名作映画の話にしましょう。
筆頭は、誰がなんと言っても『禁断の惑星』!
SFの古典的名作だから若い人は知らないかもしれないけど。
でも、ロビーというロボットは、『宇宙家族ロビンソン』に出てくるフライデー同様、名前くらいは聞いたこともあるんじゃないかな。
昨今の鑑定ブームのおかげで、昔のブリキロボットに高値がつけられてるせいか、むしろそっちで有名になってたりして。
でも、マジ、あの頃にしては衝撃的なSF映画だったのよ。
最初に見た時は子供だったこともあって、姿の見えない怪物が足跡だけを砂の上に残しながら宇宙船に近づいていくあたりとか、レーザー光線を浴びて徐々に浮かび上がる怪物の姿とかが、すっごく怖かったって印象があるんだけど…。
今見ると特撮もちゃちいし、地球人とはかなり異質な形態をしていたはずの宇宙人が(ドアの形や頭の大きさを示す物が地球人のそれとはまったく異なるのだ)、メーターだけは地球人と同じ物を使ってたりとか、妙な部分はたくさんあって。
それでもついつい見てしまうのは、やっぱり〈イドの怪物〉という人間の潜在意識によって現れるバケモノの魅力でしょう。
最初はイド(潜在意識)の意味がわからなくて、井戸しか浮かばないし、地の底から湧き上がってくる怪物ってイメージなのかなと思ってたりして……。
しょうがないのよ、小学生だったんだからー。
で、次に衝撃を受けたのは中学生の頃。
チャーチャーチャラ〜、チャララーラー、ラァァァ♪
と、『ツァラトゥストラかく語りき』の音楽で始まる、あまりに有名なスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』。
もちろん映画館に見にいきました。
さすがに意味はチンプンカンプンだったけど。特にラストあたりになると、眠くて、眠くて……。
でも、「おはようデイブ」と語りかけるHAL9000の声はあまりにセクシーすぎて、しっかり耳に残っちゃった。
デイブとHALはどーゆー関係って疑っちゃうわよねぇ。
クラークの小説の方も読んだけど、キューブリックの解釈とはかなり違うみたいだし、映画とは別物と思った方がいいみたいです。
それでいうと、キューブリックって監督は、たとえどんなすごい原作だろうとキューブリック調にしてしまう人だしね。
『シャイニング』にしても、キングの原作も読んでみたけど、キューブリックの映像は浮かばなかったから。
それ以前にラスト違うじゃんって感じ〜。
でも、監督でゆーと、一番好きなのはジェームス・キャメロン。
私は、アーノルド・シュワルツェネッガーが、まだ肉体だけを売りにしていた『コナン・ザ・グレート』の頃からの大ファンでして。
もちろん『ターミネーター』は、ルンルン気分で映画館に足を運びましたよ。
なのに、冒頭で安っぽい未来のセットが出てきちゃって、
(うわ〜、スカだったか……☆)
と、内心思ったもんだったわ。
「まあー、シュワちゃんのヌードも見れたからいいか」
と、気を取り直して見てたら、あらまーどんどん面白くなっていくじゃない。
カイルが姑息に洋服をかっぱらいながらスーパーの中を逃げるシーンとか、サラ・コナーがディスコで狙われるシーンとか、シュワちゃん以外もけっこう拾いものじゃないかって感激してて。
トラックが爆発してシュワちゃんが燃えていった時には、これで終わりだと思って、なかなか出来のいいB級映画じゃないかとどっぷり満足したんだわ。
なのに、終わるどころか、いきなりロボットの骨格が炎の中から立ち上がったじゃない。
もう、あの瞬間には、思いっきり拍手喝采を送りたかったわ。
まあ、日本の映画館じゃできないけどさー。
私は、レイ・ハリーハウゼンの特撮物が好きなんですよ。
知る人ぞ知る〈ダイナラマ〉という一コマ撮りアニメーションの大家で、『アルゴ探検隊の大冒険』の骸骨と戦う場面なんかは、古き良き特撮物好きには涎もんのシーンなんですが。
『ターミネーター』のあのロボットの動きは、モロにそれを思い出させてくれたんですね。
もー、ここまでやってくれたかと、いっぺんにキャメロンファンになってしまったんだな。
で、その次が『エイリアン2』でしょう。
たまりませんよ〜。つい最近もCSでやってもんで(完全版とかってヤツ)、3回も見ちゃった。
『エイリアン』は1作目がすごすぎたから、続編は誰が作っても転けると思ってたんだけど、キャメロンは1作目の印象をまったく覆してくれちゃって。
1匹だけでもあんなに苦労してたエイリアンが、まるでゴキブリのようにウジャウジャ湧いてくるし、シガニー・ウィーバーは日本のアニメが十八番だったはずの戦闘ロボット物を実写でやってくれちゃうしで、あのサービス精神には脱帽でしたね。
でも『エイリアン』シリーズは全作違う味わいがあって、それぞれ好きだけどね〜♪
つい最近、CSで『ピッチブラック』なる映画を見たんだけど、これがいつの間に作られたんだって首を捻りたくなるほど、まったく予備知識のない映画だったんだ。
舞台は、太陽が三つあって夜が訪れることのない惑星。
そこでは22年に一度だけ惑星直列による日食がおこり、暗闇になったとたん、コウモリみたいな光を嫌うバケモノがわんさか飛び出してきて人間に襲いかかるって設定。
前半は光だらけ、後半は暗闇だらけのコントラストが、なかなかシュールでよかったのと、土星みたいな輪のある(それも二つも!)巨大惑星の影に太陽が隠れていく時の映像が、けっこうそそられました。
昨今、CGが流行ってるわりには、見たいと思ってる映像ってあまり見られなくて、その一つが宇宙なんだけど。
アンタレスやシリウスに惑星があったら、そこからはどんな太陽が見えるのかとか、意外とありそうでなくて。
たいていは「何これ?」って感じなんだけど、この作品はけっこういいイメージ出してました。
内容もそこそこ面白かったんだけど、女のキャプテンが頑張るところとか、バケモノの表現のしかたとかが、モロに『エイリアン』っぽい感じがしてましたね。
う〜ん、やっぱ色々影響受けちゃうんでしょうねー。
――で、キャメロンの話に戻るけど。
『殺人魚フライングキラー』もコッソリ好きだったりする。
このとんでもないタイトルの映画は、空飛ぶ魚が人間を襲うってあまりにもバカバカしい内容なもんで、ちょっと他人にはお勧めできないんだけど、私的にはツボでして。
後からキャメロンが監督だと知って、納得したもんだわ。
で、問題は『T2』以降なんだけど……。
シュワちゃん、いきなりいい役になっちゃうし。
ただでさえつじつま合わせの難しいタイムスリップ物なのに、ストーリーはメチャクチャになっちゃうし。
その上、敵のアンドロイドがちっとも怖くない〜!
あれねー、アンソニー・ホプキンスが『羊達の沈黙』でレクター教授をやって以来、ほとんどの悪役は怖くなくなっちゃったわね。
あれほど凶悪で理性的で天才的で怖い悪役って、もう作れないんじゃないかな。
その上、トミー・リー・ジョーンズとかルトガー・ハウアーとか個性的な悪役俳優も、どんどんいい人になってっちゃうし。
ルトガー・ハウアーなんて『ブレード・ランナー』や『ヒッチャー』の頃の凄みは今やどこにって感じだもんね。
でも、『レディホーク』の黒づくめの騎士はカッコよかったけど。はにかんだ笑顔が可愛くってさー。
――おっと、話が逸れちゃった。
ともあれ、このあたりからなんかキャメロン、ちょっと違ってきたかなーって思ってたところに『タイタニック』ですよ。
私、タイタニック映画は昔から好きだったんです。
実際にあった悲劇を元に作られてる作品を好きってゆーのも、なんか語弊があるかもしれないけど、なにせブン屋の娘だから、ドキュメンタリータッチの映画ってのはそれだけで興味をそそられちゃうみたいで。
やっぱ、フィクションでは逆立ちしたってかなわない、真実ならではの重みがあるから。
『ヒンデンブルク』って、ドイツの飛行船ヒンデンブルク号の事故を元に作られた映画があって。
事故の原因自体は創作なんだけど、ラストでヒンデンブルク号が落下していくシーンに実際のモノクロ映像が挿入されてて、やっぱ本物の映像にはかなわないなって感じましたね。
で、話は戻るけどー。
私は過去のタイタニック映画も全部見てるし、さらに監督が大好きなキャメロンなのに、何故か『タイタニック』だけは映画館にいく気もしなくて。
後々CSでやった時に見たけど、一度見れば十分。もう恋愛部分が退屈で退屈で〜(普通なら、そこを楽しむんだろうけど……)。
史実の中にフィクションを入れる場合、よほど上手くやらないと不自然さばかりが目立ってしまうんだけど。
「あの時代、タイタニック号の中で身分の差を乗り越えて一目で恋に落ちるなんて設定自体が無理じゃない?」
と、見る前から首を捻ってしまうあたりがねー。
脇役にもけっこう名優を配してるのに、どの人物も浮いてて、あの時代にタイタニック号に乗っていた人間にはとっても見えなかったし。
わざわざタイタニック号を舞台にしなくても、『ポセイドン・アドベンチャー』みたいな完璧にフィクションのパニック映画にした方がよかったのに。
てゆーのが、見終わってからの感想だったかな。
結局、アカデミー賞を山ほど取ったけど、私的にはキャメロン離れしてしまった作品でした。
特撮映画でキャメロンと双璧をなす監督といえば、やっぱスピルバーグでしょう。
一番好きなのは『レイダース/失われた聖櫃(アーク)』。制作総指揮はルーカスだけどね。実はルーカスの方は、どっちでもいいんだ。
『スター・ウォーズ エピソード1』も見てないし、ハリソンフォード演じるハン・ソロよりインディー・ジョーンズの方が好きだし。
やられてもやられてもめげない根性がねー。
でも、2作目はパス。スピルバーグが子供好きなのはわかるけど、なんかその気持が前面に出すぎてるような感じがしちゃうから。
だから『A.I.』も見てないの。
あ、でも、3作目にはショーン・コネリーが出てるから、それだけでオッケー♪
次に好きなのは、『未知との遭遇』ですかね。部屋の中に山を作っちゃうあたり何度見ても飽きないわ。
『E.T』はセンチすぎて、一度見たらいいかなって感じ。
『ジュラシック・パーク』はCGの恐竜の映像表現はすごいけど(Tレックスは鈍足だったとの研究が最近発表されたけど…)、そのわりにストーリーがないし。
2作目の『ロストワールド』となれば、『ザ・フライ』のハエ男ジェフ・ゴールドブラムが主演じゃなかったら見にいかなかったわよ。
3作目にいたっては、「え、あったの?」って感じ。
だって、ホントに見たいのはストーリーなんだから、CGばかりこれでもかこれでもかって見せつけられてもねー。
私は古き良き特撮物が好きなもんで、最近のCG頼りの傾向を、ちょっと嫌っちゃうところがあるみたい。
モノクロの『キング・コング』なんか、メッチャ好き。
『ゴジラ』も『ラドン』も『モスラ』も『ガメラ』も1作目はよかったのよ。あの時代のモノクロ映画から漂う、妙にリアルな暗さが気に入ってるんだ。
『ラドン』なんか、最後は夫婦愛よ。感動なのよ〜。
なのにキングギドラが出てくる頃には、怪獣三者会談なんかやっちゃうし。頼むからモスラ〜、議長をするなよ(泣)。
さて〜、ちょっと前にショーン・コネリーの話題が出てきたので、そっちに飛んじゃいましょう。
ショーン・コネリーといえば、初代『007』だし、歳をとってからはグッと円熟味が増して、主演映画で名作といわれるものには『薔薇の名前』を上げる人も多いんじゃないかな。
もちろん、あの作品は私だって好きだけどー。
でも、そーゆー誰もがすごいと言う作品を押し退けて私の一押しは、知らない人も多いだろう『メテオ』だったりするのだ。
地球に激突しそうになっている小惑星に、米ソが協力してミサイルを撃ち込んで爆発させるって話で。
『アルマゲドン』や『ディープ・インパクト』より20年以上も前に作られた小惑星激突物なんだけど…。なにしろソ連があった頃だから。
今見ると特撮なんてちゃっちいんだけど、そんなことは問題じゃないほどショーン・コネリー扮する博士がいいんだ。
だいたいショーン・コネリーのどこが好きって、どうしてこんな映画に出るのって聞いてやりたくなるほど役を選ばないところ。
『ハイランダー』はまだ見れるけど。『ハイランダー2』ともなれば前作との関連はどーなってしまったのと言いたくなるほど、ストーリーも映像もお軽くなってしまっていて。
それでもショーン・コネリーの役どころであるラミレスだけはカッコよかったから、許しちゃえるんだけど。
でも、これが『バンデットQ』となると、マジでどこが気に入って出たんだいって感じー。
と、思いつつも映画館で見た、私。
あれは未だにどーゆー理由で見にいったのかよく思い出せないんだけど、それでもショーン・コネリーが妙にいい男だってのを再認識できた作品でした。
そーいえば、『メテオ』のミサイルを打ち込んで隕石を破壊するって方法は、『アルマゲドン』で否定されてましたね。
表面に何発撃ち込んでも効果はないから、掘削チームを送って内部に埋め込んで爆発させようって理屈だった。
でも、一つ疑問があるんだけど。
そこまで言っておきながら、当初の予定とは違う場所に着陸してしまったのに、深度だけはキッチリ決められた数値をひたすら守ろうとするところ。
あれだけ変形した隕石で(渓谷なんかまであるのに…)着陸場所が変わったら、爆弾を埋め込む深度も変わるんじゃないかな〜?
と、思ったのは私だけ?
普通ならその手の疑問は無視するんだけど、送り込まれた掘削員の一人に、MIT卒業で博士号まで持ってる少々エキセントリックで女好きなおっさんがいて。
場所が違うから地質も違うと説明したのも、彼で。
だったら、ついでにその場で深度の計算もし直すくらいの芸当は見せてくれよと思っちゃったのよね。
結局、彼は『博士の異常な愛情』の物マネをしただけの道化役に終わってしまったわ。
『アルマゲドン』は、他にも色々なSF映画をパロっているし、面白げな要素を散りばめてるわりには、詰めが甘いってゆーか、ネタが生きてないってゆーか、そーゆー意味ではかなりガッカリしたできでした。
人によっては泣ける映画だと言ってたけど、私はブルース・ウイリスがどうやって助かるのかばかり考えて見てたもんで、
「え、これで終わり?」
と、拍子抜けしてしまいましたよ。
『ダイハード』で、あそこまでの不死身ぶりを見せていても、やっぱり宇宙で逃げ場はなかったわけか。
と、文句タラタラの『アルマゲドン』とくれば、文句を言う必要さえもないほどの『インディペンデンス・デイ』という図式が私の頭の中にはありまして。
監督は『スターゲイト』のローランド・エメリッヒだし、漏れ聞くストーリーは奇想天外を通り越してマヌケだし、見る以前にすっかりバカにしきったら……。
意外と面白かったんだな、これがー。うん。
どう見ても知性の感じられないあのエイリアンが、どうやってあそこまでの科学力を築いたんだとか。
アメリカはいつの間に、あんな威厳も何もない若造を大統領に選ばにゃならんほど落ちぶれたんだとか。
ヒロインと子供と犬は、直接炎にさらされなくても、トンネル内の熱波で死んでるんじゃないかとか。
地球のコンピューター・ウイルスが、宇宙人のコンピューターに通用するのかとか。
そーゆー突っ込みをしても意味がないなって程度のレベルが(なせにエリア51が実在してるんだから)、かえってよかったような気がしますね。
ようはバランスってことでー。はい、単純に楽しめました。
で、そのノリで『GODZILLA』も期待したのに……。やっぱり、あの大仕掛けの設定のわりに大マヌケな支配者の出てくる『スターゲイト』を作ったエメリッヒだったわー。
でも、ジャン・レノも妙なコメディー映画に出るの好きだし。
主演が、ウチの仕事場ではやたら人気の高いマシュー・ブロデリックだから、まあいいか〜って感じなんだけどね。
マシュー君は、あまり日本人好みじゃないかもしれないけど可愛いんです。
『レディホーク』にも出てるけど、『ウォーゲーム』とか『飛べ、バージル/プロジェクトX』とか、ちょっと軽めのSF物に主演してて、どれもけっこう面白いです。
『飛べ、バージル/プロジェクトX』は、訓練された猿を使って、核戦争がおきた時を想定した実験をするって設定なんだけど。
放射能を浴びて弱っていく猿が、可哀想で可哀想で、
「せめてタバコをやってくれー!」
と、叫びたくなる映画です(なぜタバコなのか、意味は見ればわかるのよ)。
猿…! そうだ、私は猿が好き大好きなのだっ!
いや、本物の猿じゃなくて、『猿の惑星』です。
最近リメイクされた、『PLANET OF THE APES/猿の惑星』の方は見そこなったけど。
以前のシリーズは全部見てます。ジーラとコーネリアスのチンパンジー夫婦が好きなの〜。
後になるほど質が落ちるのはシリーズ物の宿命だけど、それにしても最後の一作は蛇足だったかな。
原作となった、ピエール・ブールの小説も読みました。てゆーか、そっちが先だったから、映画見た時、世評では衝撃的と言われていたラストシーンで、
「なんで自由の女神なんじゃい〜?」
って、ちょっと転けたけどね。
でも、考えてみたら、小説のラストは映像じゃ絶対できない文章ならではの手法だったから、映画は映画なりに効果的な方法を選んだとは思います(原作の方では、猿の惑星は地球でもないのだった)。
実験用の猿といえば、思い出すのは『ライト・スタッフ』。
こちらはフィクションではなく、アメリカの宇宙開発を扱ったノンフィクション映画。
宇宙開発物といえば『アポロ13』って名作ができたから、興味を持った人も多いんじゃないかな。
私の中では『ライト・スタッフ』と『アポロ13』が対になってて、どちらもやってると必ず見ちゃう映画のベスト10に入ります。
アポロ計画は月面着陸が目的だけど、『ライト・スタッフ』はその前段階で、アメリカ初の有人ロケットを目指すマーキュリー計画の7人の宇宙飛行士と、初めて音速を越えたパイロット、チャック・イエーガーを題材にしてます。
イエーガーがテスト飛行の前に落馬しちゃって、骨折したまま操縦に挑み見事に音速を超えるって、もう作ったとしか思えないようなエピソードがあるんだけど、あれは完璧に事実なんだよね。
その役をサム・シェパードがやってるんだけど、これがもう長身で、渋くて、カッコイイったらないの〜!
実際のイエーガーは、もういいおじーさんだけどね。
なんかのテレビ番組でイエーガーのことをやってて、今も飛行機に乗ってるらしいです。う〜ん、すごい爺様だわ。
でも、さらにすごいのが、ジョン・グレン爺様。
ちょっと前に77歳でシャトルに乗った宇宙飛行士で話題になったでしょう。向井千晶さんが乗ってた時です。
あのグレン爺様は、若い頃マーキュリー計画のメンバーとして有人軌道飛行を成功させた英雄でして、『ライト・スタッフ』ではエド・ハリスがやってるんだけど。
その上、エド・ハリスは『アポロ13』の方でもベストに拘る管制官のジーン役をやっていて。
思わず、
「あんたマーキュリー計画から延々NASAにいたのー?」
って、違うってー(笑)。
どちらもドキュメンタリータッチとはいえど、誇張してる部分もあるだろうし、『アポロ13』はCGも売りの一つだったけど。
実際にあったことを再現するための特撮だし、描かれているのは人間ドラマだったから、わざとらしさは感じなかったですね。
とにかく、役者がいいしねー。
トム・ハンクスについてはもう語る必要もないけど、何よりケン役のゲイリー・シニーズが最高っ!
地上に残されたケンが、少ないアンペアでコンピューターを起動させるためのシミュレーションをするところとか。
二酸化炭素が増えてくのに空気清浄機のフィルターの形が合わなくて困り果てるあたり、もうドキドキハラハラしちゃうじゃない。
あーゆーリアルさが好きなのよー。
――なぁーんて言ってるくせに。
その一方で私は、ウソ丸出しの『スター・トレック』や『スーパーマン』や『バットマン』が大っ好きなのだー!
宇宙に人間型宇宙人が溢れてるなんて、進化の法則を無視した非科学的なことはありっこないと思ってるし。
知的生命体がわざわざ地球までやって来て、麦畑にミステリーサークルをメッセージとして残していくなんて、自己中丸出しの希望的観測なんてさらさら持ってないし。
もちろん宇宙のどこかに生命体はいるだろうけど、それがアダムスキー型円盤に乗ってたり、ロズウェル事件で有名になった例のつり目で小型の人間型宇宙人だとは、とってもじゃないけど思えないくせに。
一方で、現実離れしたアメコミのノリが好きなのよ〜♪
ストーリーなんかなくたって、設定が不自然だって、ぜんぜんかまいませ〜ん。
じゃあ、さっきまでの文句タラタラは何だったんだってー?
だから、リアルだろうが、ウソっぱちだろうが、結果的に面白ければオッケーってこと。
で、『スター・トレック』ですよ〜♪
あれはあれで十分バランスとれてるからいいの。
一番好きなのは、バルカン人のスポックさん〜。「非論理的だ」の決め台詞が似合うったらないわ。
で、昔からのスタトレファンとしては『新スター・トレック』ができた時には、絶対見ないぞと心に誓ったもんなのに。
今じゃすっかり『ヴォイジャー』にハマってたりして(笑)。
セブンオブナイン(ボーグという機械生命体にされてた女性なの)が好きなのよ。この人も「それは無意味だ」の一言で、なんでも片付けちゃうの。
誰よりも知識はあるくせに、無表情、無感情ってのがツボなの。
――ああ、それにしても、このあたり、知らない人にはまったくわからない話題だわ。
わからないついでに、最後に、とっておきのくだらないSF映画の話をしましょう。
『第5惑星』ってゆーんだけど。
前宣伝で、地球人と、敵対する宇宙人が無人の惑星に下り立ってしまって、2人でサバイバルをやる話だと聞いたとたん、
「これは、どんなにつまらなくても見なければ!」
と、決心したものの、結局誰も誘えずに、一人淋しく映画館に行ったのよ。
それがもう想像通り、誰も誘わんでよかったと心底思ったほどの代物で、よくまあ日本公開したもんだと感心したんだけど。
なのにそれを、ウチのアシスタントさんは映画館で見ていたのだった。自分でも悪趣味だったと思っていたのに、似たようなヤツはいるもんだ〜。
で、なんでこの映画の話をしたかってゆーと、一カ所、とても面白かったシーンがあったのよ。
見た目には雄にしか見えない宇宙人が、実は両性体で単性生殖しちゃうの。つまり妊娠しちゃうわけ。
それを知った地球人が、
「父親は俺じゃないぞ」
って、大笑いするんだ。
ね、ちょっと誘われるでしょう?
敵同士が否応なしに協力しながら徐々に理解し合っていくってパターンは、とことん私のツボだし。
死んでしまった宇宙人の子供を育てるあたりとかも、もうすっごく好きなんだけど……。
でも、一つだけ問題があってー。
主演男優も宇宙人も、ちっとも魅力的じゃないのよぉ〜!
ゼーハー……☆
で、結局男同士の関係に話がいってしまったところで、今回はこのへんにて――…。
おわり
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