サイトオープン1周年企画
夢中で描いてた未熟者


 さて〜、今回は、恐怖に凍りつくか、笑い転げるか、どっちかしかないって代物をお見せしましょう。
 あさぎりの10歳〜20歳くらいまでに描いた絵です。中でも投稿用ではなく、趣味で描いていたものを集めてみました。
 それにしても、何が恥ずかしいって、子供の頃の絵を見せることほど恥ずかしいことはないっすね。
 いやもう、どうしてこんなことを考えてしまったんだろうって、絵を選んで、スキャナーで取り込んで、ディスプレイに現れた画像を処理している間中、後悔の汗と涙に泣き濡れましたよ〜(T_T)
 拙いです。稚拙です。でも、これがあるから今のあさぎりがあったという証明でもあるわけです。

 とにもかくにも、御覧あれ。
 めいっぱい笑ってください〜。

     ★★★

 右
の、見るも恐ろしい物体が、それです!

 マネージャー氏いわく、
「近所の女の子のお絵描きみたい」
 って代物なんだけど、その通りっすよー!
 だって、本当に小学生の落書きなんだから。
 あさぎりが、
お絵描きを始めたばかり、つまり小学校4年頃の絵なんです。
 でも、誰だって最初はこんなもんでしょう?
 ゴッホでもピカソでもないんだから。普通の女の子なんだからぁ〜。

 あさぎりの少女マンガの絵のルーツは西谷祥子先生…って、若い子は知らないだろうけど、あさぎりが子供の頃は、もう知らない女の子はいないほどのマンガ家さんで…、目の描き方がちょっと変わってて、キラ(目の中に輝いてる光のことっす)の形が四角だったんです。
 この絵は、瞳の真ん中が星形だから、まだ完璧に西谷祥子先生タッチにもなってない頃ですね。

 それにしても、どーでもいいけど口が曲がってるぞ〜って、当時の自分に突っ込んでやりたい気分っすよ、もう〜。

 まあ、この頃の絵は2〜3枚しか残ってないってのが、唯一の救いでしょうか。青のボールペンで、わら半紙に描いてあるってのが、時代を感じさせますねー。


 次はポーンと飛んで小学校6年生の頃。
 
石森章太郎先生の影響を受けたとたん、こうなっちゃいました〜。

 これはキャラクター表のつもりみたいです。

 なんとか戦隊物っぽい5人組の主人公で、他にも1号〜5号までの番号に名前とプロフィールつきの絵が残ってます。
 3号が女の子なのよ。あとはアンドロイドとか宇宙人とか注釈がしてあるの。
 うっわ〜、恥ずい、恥ずいぃぃ〜☆

 だからー、石森章太郎先生の『マンガ家入門』にキャラクターを作った方がいいって書いてあったから、必死にそれっぽいことやってみたんですよ。ゼーハー☆

 え〜と、ちゃんと少女マンガ風の女の子の絵も描いてはいたんだけど、それより少年マンガっぽいタッチに凝ってたみたいです。

 この頃はペン入れした絵があまり残ってなくて。描いた覚えはあるから、たぶん捨てたか、人にあげたかしちゃったんでしょう。
 ウチはマンガ禁止だったから、取っておけなくてね。そーいえば一度、まとめてゴミに出した原稿を親父に見つけられちゃって、ギョッとしたことがあったっけー(遠い目……)。

 鉛筆で描いたマンガなら、何作か残ってるんだけど…。誰に見せるわけじゃないのに、自分でそれを閉じて雑誌みたいなのを作ってたわ。表紙は色鉛筆で塗ってー。2冊で終わってしまったけど、昔から体裁整えるのが好きだったようで。今はそれをサイトでやってるってー?
 はあ〜、12〜13歳の頃と同じことやってるのか…。


 右の絵は中学2年の時のマンガの一コマです。
 16ページで、ペン入れまでして最後まで仕上げたマンガとしては2作目になるのかな。
 水野英子先生の影響を受け始めた頃でして。
 何がすごいって、枠線と効果線以外は、人物からバックまで全部、筆で描いてるんです。
 面相筆ってヤツですね。
 当時は、
ゼブラのカブラペンを使ってたんだけど、なかなか柔らかい線が出なくて、ふと、筆で描いてみたらどうだろうって閃いちゃってー。
 てゆーか、
水野英子先生の線が、それほど柔らかくてキレイだったんですよ。

 短絡的な発想だけど、おかげで筆遣いが巧くなりました。


 お次は、中学2年から3年にかけての頃。
 もうハッキリと西谷祥子先生の影響を受けてることがわかります。

 ね、キラがちゃんと四角でしょう。
 どうして目の中に四角い光があるのか今考えると不思議だけど、あの頃はそれがとっても魅力的に見えたんです。
 筆からペンへの移行期で、まだ睫毛とかは筆で描いてました。

 この頃は女の子を描くのが楽しくて楽しくて。情熱こもってる感じがして、けっこう可愛いくない?
 目が大きいのは昔からだったんだわ、と今さらながら思っちゃった。

 でも、マンガとして完成した作品はほとんどなくて、これも部分的に残ってるだけで…。まあ、ありがちなことなんだけど、作品を最後まで完成させられない症候群に陥ってた時期です。


 そして、中学3年の秋。ついに、萩尾望都先生の作品との出逢いがやってきました。

 それまで大好きだった、お目々の大きな女の子はどこへやら、いきなり少年ばっかり描くようになってしまったんですね。
 鼻の影の線を反対側から描くようになったのも、モロに萩尾望都先生の影響ですね。

 なのに、相変わらず目の中は四角い光だったりして。そこだけはデビューして1年くらいまで変わらなかったから。
 う〜ん、ある意味、原点である目の描き方を変えた時に、プロとしてやっていこうって意識が芽生えたんでしょうかね。

 下の作品は『バラの幻想』とゆータイトルでして(なんかタイトルだけでも妖しいぞ〜)、中学3年の時にキャラができて以来、頻繁に描いていたシリーズです。





 主人公の少年リシャール(何故かフランス人〜)は、自分でも気に入ってた魔少年タイプのキャラで、アマチュア時代にはとことん拘ってた
のに、プロになってからはまったく描こうって気にならなかったのが、不思議なところです。

 寄宿学校が舞台で、モロに少年愛がテーマだったから、少女マンガでは無理だったんだけど。ボーイズラブ全盛の今ならオッケーって感じもするのに、未だに発表する気配すらないっすね。
 ああ、でも、初っぱなが義母との恋愛で、それ抜きでは語れないから、ボーイズラブでもちょっと無理かなぁ〜。


 左の少年はSFマンガの主人公です。タイムトラベル物だっけ。
 高校1年の秋。露骨に趣味に走り出した頃で、投稿作さえSFかファンタジーか少年愛物だったから毎回批評が厳しかった〜。

 そーいえば、初の男同士のベッドシーンは、なんと休み時間に教室で描いたのだった。
 高校1年の時のクラスは、やたらそっち方面に理解がありまして(なにせ女子校だし〜)、もっとやれ〜とか応援してくれたもんで、キスする場所がどんどんヤバイ方へと下りていって…。

 あはは〜、あとは言うまい。勝手に想像してください。


 高校2年〜3年にかけては、精神的にも非常に不安定だったもんで(思春期真っ盛りだからぁ〜)、ある意味情熱的でもあったんだけど、心理面が絵にも反映しちゃって、巧い下手とか以前にメチャクチャ荒れてます。

 投稿用に、意識して乙女チックな学園物を描く一方で、趣味の少年愛物をやたらめったら描き散らかしてたもんで、量産した分、質はガクンと落ちました。
 ペン先をゼブラのカブラペンからGペンに変えて、ペンタッチが早くなったのも、荒っぽくなっちゃった原因の一つかなぁ。

 う〜、右の男なんか、顔まのびしてるっしょ。
 じょじょに少年から青年へと興味が移っていったこともあってか、デッサンも安定してないもんで、見るのが辛い〜。
 ただ、この頃に大量に描いた経験が、その後プロになって生かされたんじゃないかと思ってます。


 高校3年から大学にかけては、それまでの乱作の反動か、どんどん絵が細かくなっていって、効果線や点描の執拗さ加減は、今見てもよくやったと感心します。
 左の絵、顔の周囲のモヤモヤは点描です。髪の毛なんかベタじゃないんですよ。全部丸ペンでカリカリ描いてたんですねー。
 いやぁ〜、根性だわ。

 で、これは誰って? ジャックです。
 このサイトに載せてある『秘め事』の主人公っすよ。一応あれと同一人物なんだけど。描いた時期が違うだけで、まるで別人のようだわね。
 コールとリードとともに、あさぎりの基本形キャラの一人だけど、彼らの話も何度も途中まで描きながら結局まともに仕上がった物がなくて。
 この作品も、半分ほどしか描けなかった。
 何故か気に入っている話ほど仕上げられないってゆーか、人に見せる作品にならないって傾向があるみたいっすね。

 どーでもいいけど、睫毛バサバサ。今は一本しかないのにー。
「お前はホントにジャックか〜?」
 って言いたくなっちゃうわ。あさぎりのキャラの中で一番地味なヤツなのにぃ〜。

 同じキャラが時代によってどう変わったか、ちょっと並べてみました。
 通称レオンって呼ばれてる少年です。講談社コミックス『あさぎり夕初期短編集』をお持ちの方は、『サラマンダー』を覚えているかな?
 あの作品の主人公、レオンハルト(少年にできなかったもんで、苦肉の策で男装の少女にしたけど…)もこの流れです。



 左から高校1年、真ん中が高校2〜3年、右が大学1年の頃ですか。
 こうしてみると、やっぱり高2あたりのが一番デッサンも狂ってるし、線も荒っぽいですね。
 高1の頃の絵はカブラペンを使ってるので、線は硬いしシンプルだけど、絵自体は嫌いじゃないです。初々しくてー。
 で、大学になると、とたんに線が太くなる〜。思いっきし力入れて描いてたんでしょうね。少女マンガで、太い線が流行り始めたってこともあったみたい。


 この後、デビューするのに必死になり始めたもんで、趣味の作品は激減します。なにせ就職だけは避けたかったから。

 そうして、下手くそでも夢中で絵を描くことを楽しんでいた時代も、終わりを告げるのです。

     ★★★

 恥かきついでに、少々大きめのイラストも三点アップしてあるので、左のフレームからご覧下さい。

 No1が『バラの幻想』のリシャール。執拗に細密を心がけていた大学1年の頃のイラストです。

 No2も同じ頃。リード、コール、ジャックの三人。
 サイトで連載中の『千年王国』でいうところの、氷雨、光輝、蘭月ですね。

 No3は、他の2枚よりちょっと前、高校3年の時、めいっぱい荒れていた頃のイラストです。これも気に入りの男だったのに、今ではさっぱり描かなくなってしまった。


                         おわり