◆2010年2月26日（金曜日）あさぎり夕
いよいよ明日発売のBE・BOY GOLD４月号から、Mr.シークレットフロアのマンガバージョンが始まります。なんか小説の方よりドキドキしますね。
ちょっとだけ内容をご紹介します。
元気で明るくて大食らいの新人編集の相葉卓斗と、怠惰で傲慢で過去ありの売れっ子小説家の八神響と、どちらも私のキャラとしては王道タイプの受と攻です。
剣さんがアクションがお得意な方なので、座ってただワープロを打っているだけの小説家ではつまらないと思い、こちらも小説の方の冬夜と同じようなちょっと妙な体質にして躍動感を出せるようにしました。
そのせいであれやこれやとひどい目にあってしまう新人編集の卓斗ですが……詳しくはマンガを読んでください。
せっかくのコラボなので、できればマンガ家さんのアイデアも取り入れたいというのが私の理想だったのですが。
まだ脚本に取りかかる前、受攻の性格や職業が決まった程度の段階で、剣さんが主役カップルだけでなく、編集部ってこんな感じ？みたいな小ネタをたくさん送って下さったので、編集長や先輩編集、ライバル編集、すべて剣さんが考えてくださったラフのキャラを使わせていただきました。
他にもこれはいいなと思うアイデアはできるだけ取り入れているんですが、ストーリーから外れてしまうので面白いけど入れられないネタもあって本当にもったいないです。
でも、どのあたりが剣さんのアイデアか想像しつつ読むのも楽しいかと思います。
もう第二話までの脚本はできていて、必要な説明なり伏線はある程度出せたので、後は勝手に流れていくかなという感じになっていますが、それを剣さん流に味つけしてどんなマンガにしていただけるのか本当に楽しみです。
ともあれ
Mr.シークレットフロア
マンガバージョン『小説家の戯れなひびき』
お楽しみに。
◆2010年2月10日（水曜日）あさぎり夕
寒い日が続きますね。
私は『Mr.シークレットフロア』マンガバージョン第二話の脚本を書いています。ネームを切りながらやるので、むしろそれを脚本に起こす作業の方に手間がかかってしまうんですが。
さて、今回のコラボ企画、私と剣解さんではあまりにタイプが違うので、なぜ？ と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、意外と偶然の産物だったりするのです。
双方の担当さんの帰り道が同じ方向で、帰宅の電車の中でなんとなく新しい企画をやってみたいなという話になったとか。
剣さんがジャストで私の少女マンガを読んでいた世代だったりとか。
私は私で、剣さんの作品をデビュー当時からセンスのいい方だなと思って拝見していたりとか。
だからこそ、剣さんが小説の挿絵をされていないことも知っていたし、仕事という感覚抜きで一読者として楽しませていただいていたので、最初に担当さんから剣さんとコラボをやってみませんかと提案された時には、かなり驚きました。
私も原作をいただいてマンガを描いたことがあるので、経験上からも、ストーリー作りの苦手な新人さんならいざ知らず、自分の世界観を持った上で１０年もやってらしたマンガ家さんが、コラボから得るものがあるのだろかという疑問の方が大きくて、ともかく一度お会いしてみましょうということになったのです。
色々お話をうかがったところ、剣さんは『なな色マジック』あたりを最後に少年マンガに興味が向いてしまったもので、女流マンガ家さんの作品をあまりご存じないらしく、今回のコラボで少女マンガやBLの王道を勉強したいとのこと。
そういう理由であれば、こちらもお若い作家さんとのお仕事は願ってもないことなので、その場でいくつかアイデアを出して始動したのが昨年の夏でした。
私としては剣さんがマンガを描くとなれば、少々外した設定の方がいいのではと思ったのですが、小説班やGOLD班からくる要望がこちらの想像以上にセレブ攻めの王道でということだったので。
本当は天然クールビューティー受とかにしたかったんですが、それは小説の方でやらせていただくことにして、マンガの方は今どきこれでいいのかというほどベタな展開になりました。
ただし、それだけではつまらないので、隠し味としてちょっと妙な設定も入れてあります。
リッチなラグジュアリーホテルで繰り広げられる物語で、小説の方が「ホテルオーナー×人嫌いのクールビューティー」、マンガの方が「売れっ子小説家×新人編集」というBLではありがちなキャラ立てなんですが。
書いているうちに味つけの妙な設定の方が楽しくなってしまって、最初に意図していたリッチなホテル物とは違っちゃったかもしれません。
特に小説の方は好き勝手に書かせていただいたので、ホテルは単なる舞台ってだけです。
マンガはまだ始まったばかりなので、それほど外れてはいないのですが、この先あまり妙な方向にいかないように自制せねばと思っています。
まずは１４日発売の小説b-Boy３月号です。
『Mr.シークレットフロア』小説バージョン『花婿を乱す熱い視線』をお楽しみに。