2009年4月

 


◆2009年4月24日(金曜日)あさぎり夕

ようやくコバルト文庫の仕事が終わりました。
取りかかってから1ヶ月半、最初は一週間かけて3行ほどを書くのがやっとで、パソコンに向かって毎日何をしてるんだろうと自分でも不安になるような状況でしたが、本当にようやく脱稿いたしました。

タイトルは『玉の輿でいこう!』です。
仮につけておいたのですが、ちょっと頭が働かないのでこのままいってしまいます。

タイトルどおり花嫁物+サクセス物という感じの軽いタッチのお話です。

編集さんと電話で打ち合わせをしている最中に、何かの加減でアゲ嬢の話題になって、私はそれまでそういう雑誌があることすら知らなかったのですが、なんだかキラキラしてて面白そうなので、ギャル系雑誌で女装モデルをしている男の子ヒカリを主人公に据えました。
ヒカリは夢の玉の輿に乗ることができるのか?
とまあ、そんな感じで書いてみました。

イラストは街子マドカさんにお願いしました。
街子さんとはリブレ出版での『先生シリーズ』の復刊以来2度目のお仕事になりますが、大人な攻や脇役もカッコいいんですが、なんといっても主人公の生き生きした表情が最高なんです。
今回は最初から頭の中では街子さんの絵でキャラが動いていたのですが、担当さんも読んでいて街子さんの絵が浮かびましたと言ってくださいました。

時間的にも精神的にもあまり長い作品を書く余裕がなかったので、いつもより短めで240ページくらいにまとめました。
街子さんの絵のイメージで話を考えると、潤とか玲のような話を引っ掻き回す変な人達が出てこなくて、そのぶん主人公の二人の恋愛に焦点を絞れたような気がしています。
なんかとても初心に戻った作品になりました。
女装モデルと生真面目な経理部課長の、とんちんかんな同居生活をお楽しみにいただけると嬉しいです。

ともあれ、文庫丸々一冊を書き下ろしたのは8ヶ月ぶりで、これが本格的な復帰第一作となります。
少しずつですが仕事の感覚も戻りつつあります。

でも、ちょっと無理をして最後の日は朝の九時まで仕事をしてしまったので、2〜3日ゆっくりしてから他の仕事にかかろうかと……。
などと思っていたら、他社から仕事の進行の確認電話がかかってきてしまいました。
はあ……。


◆2009年4月10日(金曜日)あさぎり夕

今日は『女王陛下のお庭番』新装豪華本の発売日です。

私のところにも見本が届きました。ピンクの文字が踊っていて、なかなか華やかな一冊になったと思います。
これまで女王陛下シリーズ用に描いたカラー4枚もピンナップに使ってあって、356ページまでたっぷりとお楽しみいただけます。
よろしかったらお手にとってみてください。


それから『ダイヤモンドに口づけを8』の発売日が決定しました。4月28日です。
リブレ出版のサイトでは、一度、4月17日発売での予告が出てしまったのですが、スケジュールの調節等の問題がで10日ほどずれてしまいました。
でも、ゴールデンウィーク前には発売できることになってホッとしています。休みの間、ゆっくりとお楽しみください。

ミオと陣野以下、味方も敵も総出演。
コスプレパーティーもあり、シリアスもありと、色々てんこ盛りの一冊です。個人的には清治お兄ちゃん救済偏と称して、ちょっとだけカッコいい清治と桐原を書いてみました。

本来は昨年10月発売の予定だったものなのに、それが延びただけでなく、書店予告を打ったあげくの発行延期というのは、作家生活の中でも初めてのことで。どうにもできない事情があったとはいえ、読者の皆様にはご心配をおかけして、本当に申しわけありませんでした。
でも、ようやくお届けすることができます。女王陛下共々こちらも読んでいただければ嬉しいです。
いつもながら美麗な佐々成美さんのイラストが目印です。今回は吸血鬼陣野と花嫁ミオの妖しくも可憐なバージョンですよ。


さて、コバルト文庫の仕事はまだ中盤というところです。いつもより半月ほど遅れていて、毎日のように編集さんから進行具合の確認の電話があります。
ようやく少しは頭が回転するようになってきて、必死で進めています。
こちらは6月発売予定なので、今月半ばには仕上げねばなりません。
本当にできるのか、ちょっと不安です。


そんな中、気分転換も兼ねて、4月の頭にリブレ出版のパーティーに行ってきました。
私はあまりパーティーのたぐいには出席しないのですが、こんな時だからこそ少しは外に出たほうがいいと母が言ってくれたので、今回はご迷惑をおかけしたことの謝罪とイラストレーターさんへのご挨拶にと足を運びました。

ゴールデンウィーク進行にぶつかったため出席できなかった方も多く、お一人の絵描きさんにしかお会いできなかったのですが、スケジュールを狂わせてしまったお詫びや、このさきの仕事についてお話することができました。

それから、偶然にも、パーティーの司会をされていたのが久住を演じてくださった声優さんだったもので、お久しぶりのご挨拶をしてきました。
アフレコのときには仕事の話しかしないもので、何度もお会いしたわりに雑談をしたのは今回が初めてで。
普段はとても真面目に演技をなさる方なんですが、なんだかとてもノリノリでした。

パーティーのほうも盛況で、とても楽しい時間をすごすことができました。でも、そうそうのんびりはしていられないので二次会はパスしましたが。
やっぱり、その間、ちょっと仕事をサボったわけで、抜けたぶんだけがんばらねばなりません。

それではまたしばし引っ込みます。