2008年5月

 


◆2008年5月10日(土曜日)あさぎり夕

あっと言う間に5月になってしまいました。

ずーっとリブレ出版のB-PRINCE文庫の仕事をやってました。
2000年にパレット文庫から出版した『先生は止まらない』と『先生は振りむかない』の出し直しなのですが、前回の日誌でも書いたように、全改稿したのでものすごく時間がかかってしまいました。

パレットから出版された時には自分でイラストをつけたのですが、自分の絵では納得できない部分もあったもので、今回は街子マドカさんにイラストをお願いしました。

さわやかで、清潔感があって、生き生きした絵を描かれる方で、デビューされた時から楽しみに読ませていただいていたマンガ家さんです。
自分では描けなかった、ふわふわした歩夢の猫っ毛とかがすんなりイメージできたので、性格とかエピソードもずいぶんと変えました。元の話より男の子っぽくなっていると思います。

『止まらない』のほうの直しをしていたときに、街子さんはあまり鳴海のようなド変態は描かれていないのではと気づきまして――といより、鳴海がここまで変だったことを私自身が失念していたんですが。
街子さんの描かれる黒髪キャラを元に頭の中で鳴海に変換してみても、科学者ということもあって真面目なタイプになってしまって。

これはもう、街子さんのイメージにお任せするしかないと思いながら前作は書き上げたのですが、FAXから流れてきた鳴海のラフは、私の想像を凌駕するほどエロくて美形なマッドサイエンティストでした。

特に、まん中分けというのは、まったく考えていなかったので、本当に嬉しい驚きでした。
他の方にイラストをお願いするときの楽しみは、こういうところなんですよね。


この2冊は6月と7月に連続刊行される予定です。
とにかく手が入っていないページがないというほどの全面改稿で。年齢や性格設定を含めて基本的な部分も変更したし、不要なエピソードはとことん削ったし、新たなエピソードもずいぶん足したし、かなり印象は違う話になっていると思います。
なので、前作をご存じの方もお手に取ってくださると嬉しいです。

でも、今回で過去の作品の出し直しは、さすがに懲りました。
8年以上前となると文章が違いすぎてそのままでの出版はしたくないし、でも、直すには時間がかかりすぎるしで、他の作品に関しても出し直しの話はあったのですが、それはお断りしようと思ってます。

パレットの休刊で書店からなくなってしまった小説もたくさんあるのですが、いまのところ携帯版以外の出版は考えていません。